こちらは、リビングから望むルーフバルコニーに、オリジナルのコンテナを作り、

たくさんの野草・雑木が育つ四季を感じる庭になりました。

 
 

マンションのルーフバルコニーやベランダは、せっかくの広さが、

コンクリートの照り返しや強風のため、外に出られないなど十分に活用することが出来ないという声を聞きます。

そこで、植物を自然な状態で植栽することで、夏は見た目にも涼しげで

季節の変化を感じられるお庭にしてみてはいかがでしょうか。

  

これは施工前の状態です。

こちらのお宅は川崎市ということで、遠くには緑も見えますが、

施工後とはまったく違った雰囲気ですね。

まずは植栽する部分に、オリジナルのコンテナを製作します。

用土を入れる部分は、プラ舟と呼ばれるプラスチック製のものを使用しています。

これを大きな鉢として、底に穴を開けることで、植物を育てることが出来るようになります。

のちのち配置換えなどがしたくなったときでも簡単に移動できるなど対応できます。

プラ舟はスノコ状の木材の上に乗せることで、ベランダなどで問題になる、

排水や滞水の問題を解決しています。

また、スノコで上げ底をすれば、コンテナの高さの調節なども出来るので、

単調にならない、変化に富んだデザインを作ることが出来ます。

 

 

防腐剤をしみこませてある木材を使用して、プラ舟の周りを囲む部分を製作しています。

さらに、防腐剤入りの塗料を塗っています。

野草や雑木など植物のグリーンが栄える、落ち着いた色を塗ることで、

より自然な雰囲気を演出しています

 

トレリスつきコンテナも設置し、内側の植栽部分も組み立てが完了しました。

トレリスつきコンテナ(高さを調節・塗装など一部加工してあります)には、

背の高い樹木を植栽します。

トレリスとこれらの樹木が、内側の植栽部分にあたる風を和らげてくれるので、

山野草には風通しのよい育ちやすい環境を提供してくれます。

このあと、用土を入れ、いよいよ植栽をします。

 

 

 

植栽部分には、景色に変化を持たせるため、石材を配置します。

石材は、抗火石という天城山などで採れる、火山活動で出来た軽石です。

多孔質で、軽量、保水力、保温力などがあります。

また、抗火石は吸った水分が蒸発するときに周囲の熱を下げる気化熱の効果で、

夏の暑さを和らげる働きもあり、山野草の生育に最適です。

植物や抗火石などを仮に配置していきます。

この段階で、背の高くなるものは後ろのほうへ、

這ってよく殖えるものは少し間隔をあけてなど、

今後植物がどのように育つかを予想しながら、配置します。

また、用土を入れる深さが限られるため、

少しでも用土が深いほうがよい種類の山野草を植える部分は

抗火石でせき止めて盛り土をするなど植物の特性に合わせた植栽計画を立てていきます。


いよいよ完成しました!

施工時期は、11月後半とすでに冬の気配を感じる時期でした。

ナンテン・ヤマモミジなどは赤くきれいに紅葉しています。

サワフタギ・オトコヨウゾメ・ツリバナ・マユミ・十月桜・ナツハゼ・ドウダンツツジ・カツラなどの落葉樹はすでに冬支度です。

常緑樹では、赤い実をつけるソヨゴや、シマトネリコ・椿(数奇屋侘助)などの緑が貴重な季節。

野草たちも、金華山ススキや風知草などの枯れた風情が、冬枯れの景色を作っています。

オトコヨウゾメの紅葉と紅い実です

サワフタギ

落葉後の枝も冬の澄んだ空に栄えます

ソヨゴの紅い実です

色の少ない冬には貴重な赤色です


今年3月の様子です。

今年は春が遅かったので、一見、まだまだ冬のような景色ですが、

枯れ草の根元では、早春の野草たちが春の訪れを告げていました。

屋久島ショウジョウバカマが咲いていました。

秋に咲く大文字草や、

アジュガの芽吹きも見えます。

原種シクラメン(コーム)。

原種なので園芸種と比べ

花が小さくかわいらしいです。

また、丈夫で地植えすると種がこぼれてよく殖えます。

イカリソウです。

新しい葉に先駆け、花茎を伸ばし始めていました。

あと少しすると、名前の由来にもなっている

錨の形をした花を咲かせます。


今年の夏、7月の様子です。

冬や早春とはうって変わって、さまざまな野草や雑木たちがよく育ち、

マンションのルーフバルコニーとは思えない、まるで山の中にいるような景色を作ってくれています。

こちらでは、樹木が約20種以上、山野草は約100種類ほど植栽しました。

混植することで、それぞれの植物が殖えすぎないようにバランスをとっているようです。

今年は、梅雨が長かったこともあり、害虫の発生が多いですが

風通しがよいせいか、こちらでは害虫の被害もほぼありませんでした。

これから、年を重ねることで、ますます自然な景色となっていくのが楽しみなお庭です。

冬に紅い実をつけていたソヨゴは

すでに冬に向けてミドリ色の

かわいらしい実をつけていました。

サワフタギもミドリ色の実をつけています。

秋には独特の藍色に色づきます。

 

夏に赤くなるナツハゼ。

秋に向けてますます葉は赤く染まります。

 

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